社長と社員が語り合う、東京日食の今日と明日。
社長、有給取ってもいいですか?
社長「丸山さんがうちに来て、もう5年くらい経ちますよね。もともと、うちの協力会社でドライバーをしていたんですよね。」
丸山「そうです。当時まだ東京日食が自社でトラックを持っていなくて、社長が自社でトラックを導入するというタイミングでしたね。私は東京日食からの依頼で青果物を運ぶ側、つまり取引先だったので東京日食のことはある程度分かっているつもりでした。」
社長「うちが嫌いじゃなかったってことだよね。」
丸山「もちろん。嫌いな取引先に転職してきませんよ(笑)。ちょうどその時に働いていた会社は物流はやめるかも、という話があったので、良いタイミングでお世話になることになりました。でもあの時、トラックを導入したのはどうしてなんですか。」
社長「私自身がドライバー出身だったこともあり、やっぱり流通の仕事をするなら、経費はかかっても自社でトラックを持っていたほうがいいと考えたんです。アナログな考えかもしれないけど、集荷して届けるところまで、自社でやっているというのは大切なことだと思うんですよ。ぶっちゃけて聞くけど、丸山さん、どうしてうちに来てくれたの?」
丸山「なんとなくですが、自由そうな雰囲気があるなって思ったんですよ。」
社長「自由?」
丸山「社員の人たちと話していてもそうだけど、ガチガチに固められている感じがしなかった。ドライバーさんが『今日は下の道が空いてるから高速使わずに行きますね』というのが東京日食の場合は通るんです。融通が利くというか。ドライバーだって毎回同じ道を走ってたら飽きてきますからね。」
社長「そういう自由さは確かにありますね。」
丸山「ちゃんと人が仕事をしてるんだなあって感じがしました。」
社長「ほら、最初に運行管理の仕事をしない?って打診したとき、断ったじゃない。」
丸山「覚えてます。あの時は社長から直接じゃなく上司の方から言われたんですよ。ちょうど腰を悪くしていて、ドライバーがきついなあと思っていた時だったんです。でも、まだやっぱりドライバーの仕事がいいなあって。」
社長「私もそうだけど、ドライバーの楽しさって忘れられないよね。自分でハンドルを切って荷物を運んでいく感覚が本当に楽しい。」
丸山「だけど、やっぱり身体の声には勝てなくて、運行管理というデスクワークで働かせてもらうことになりました。」
社長「いまはもう進行管理の仕事が楽しくなりましたか?」
丸山「楽しいというかまだ一生懸命ですね。正直、やっぱりドライバーのほうが性に合ってますけどね(笑)」
社長「やっぱりそうだよね。でも、ドライバーをやっていたからこそドライバーさんの気持ちを考えながら運行管理をすることが出来るんじゃない?」
丸山「それはあります。ドライバーとしての仕事がものすごく役立っていますね。というか、どの仕事もそれだけでは成り立たないんでしょうね。そのことがここではよく分かります。」
社長「仕事そのものはスムーズに移行できましたか? パソコンが苦手だって言ってたけど。」
丸山「今だって苦手ですよ(笑)。でも、うちはすべてがデジタルってわけじゃなくて、ちゃんと書類で残すところは残しているし、電話でガンガンやり取りするし、昔ながらの部分があるから働きやすいっていう人も多いですね。」
社長「難しいところだとは思うんです。ちゃんと時代に合わせて、システム化しなきゃ行けないところもある。運送業の法律も年々変化するからずっと昔のままというわけにはいかないですね。でも、法律で決まったからってすべてをトップダウンでやるつもりはないんです。」
丸山「社長は普段から社員にもよく声をかけてくれるし、そのせいか、社員同士もちゃんと声をかけあいますね。私も帰社したドライバーと一緒に話したり、配車担当の社員と昼ご飯を一緒に食べたりします。」
社長「そういう、人と人とが集まって一緒に働く良さをなくしたくないんですよね。もし、働く社員の誰かが『最近、ちょっと働きにくくなったなあ』なんて思ったら、どんな小さなことでも私に相談してほしいと思っています。私が話しにくかったら丸山さんとか、ほんと誰でもいいから声をかけてほしいですね。」
丸山「会社の未来を考えるとか大げさな感じじゃなく、自分が働きやすい環境を自分で考えてくれればいいですね。」
社長「うん。みんなが働きやすい会社って、きっと長く続くと思うんです。私ひとりで頑張ったってたかが知れています。みんなで少しずつ頑張って意見を出し合って、もっともっと働きやすい良い会社にしていきましょう。」
丸山「はい!あ、そうだ、社長にお願いがあるんです」
社長「え!なに?」
丸山「特に用事もなかったから、うっかりしてたんですが、今度、有給取っていいですか?(笑)」
社長「もちろん!」
丸山「よーし、今日も頑張るぞ!」